西洋陶磁器骨董専門店アンティークアーカイヴ

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品番 No. SF-2

作品名 

セーブル フィギュア 「七面鳥」
沼田一雅によるデザイン
非常に珍しい貴重品

制作年
1922年頃

価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠に有難うございました。

コンディション
修復・ダメージなし 
アンティークとしてよいコンディション

サイズ
幅 約13cm 高 約17cm

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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108



解説
日本彫刻界の父と言われる沼田一雅が、セーブルで製作したフィギュアです。
西洋陶磁器の中でも珍品中の珍品と言えるでしょう。

沼田は陶磁器の芸術彫刻が、国内にほとんど存在しないことを憂いていました。マイセンやセーブルには精緻で写実的なフィギュアが焼き物として芸術的地位を築いているの対し、日本には招き猫や狸徳利の類しか見当たらない。何とか焼き物で芸術的な彫刻作品が作れないものかと、国内で色々な試みをしましたがうまくいきません。そこで、ヨーロッパで最も優れた窯である、フランスのセーブルに学びたいと熱望します。しかし、公式なルートでセーブルに問い合わせると、「セーブル窯は外国人を受け入れない」と言う理由でにべも無く断られてしまいます。しかし、当時フランスで活躍していた美術商、林忠正の力添えにより、練習生の名目でセーブル窯で働くことになるのです。沼田が渡仏したのは、明治36年(1904年)のことでした。いざ入所すると、セーブルは沼田を芸術家、彫刻家として敬意を払い、親切な待遇で迎えたのです。沼田はこの年から2年間、さらに大正14年(1925年)にも渡仏をし、二度にわたってセーブルで仕事をすることになります。もちろん、セーブルが外国人、特に日本人を受け入れたのは、初めてのことであり、日本の磁器芸術あるいは彫刻界にとっても画期的なことでした。

本作は沼田一雅がセーブルで制作した七面鳥の作品です。沼田はセーブルで少なくとも15体の作品を残していますが、その多くが動物像です。ほとんどがビスク焼き(無釉白磁)であり、非常に写実的に作られているのが特徴です。本作で注目すべきは、装飾が「釉下彩 アンダーグレイズ」の技法でなされている事です。この技法はR.コペンなど北欧の窯で発達した技法です。セーブルでこの技法の作品が作られるのは非常に珍しい事で、個人的にも数例しか知りません。台座の緑色や身体の柔らかな白色は、一見陶器のような柔らかな感覚ですが、本作は磁器製です。

台座に日本語で「ぬまた作」の文字、「S-DN」の文字は新磁器のマークです。EDは装飾師のイニシャルでしょう。台座裏面にも1922DNの製作年をあらわすマークがあります(写真8)。 1939年に発行されたセーブルの公式カタログには1195のモデルナンバーで登録されています(写真10)。写真9は明治36年最初に渡仏した当時、セーブル製作所内の沼田の姿です。
ダメージや修復のないとてもよいコンディションです。





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