西洋陶磁器骨董専門店アンティークアーカイヴ

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品番 No. KC-2


作品名 

KPMベルリン 
キャビネット カップ&ソーサー
「村の母娘 細密画」

制作年
1840年頃

価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠に有難うございました。

コンディション
修復・ダメージなし
金彩にスレ、ハゲ多くあり

サイズ
カップの直径 約9cm 
ソーサーの直径 約16cm


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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108



解説
KPMベルリンのキャビネット・カップ&ソーサーです。

18世紀、磁器は贅沢な実用品でした。主に、王侯貴族が宮廷で使う目的の食器であり装飾品でした。しかし、18世紀の後半から19世紀になると、磁器をコレクションするという考え方が普及します。実用は二の次であり、磁器芸術の技術を極限まで追求した器を蒐集して楽しむという思想です。もちろん、これは富裕層に限られた趣味であり、コレクションボードやキャビネットにこれら最高級品を並べて、その威光を誇るのがステータスでした。このような市場の要求に応える能力があった窯は、KPMベルリン窯であり、ウィーン窯でした。この時期、マイセンは経営危機にあり、建て直しに必死でした。この時代はアンピール様式が大流行した時であり、マイセンは明らかにこの流行に乗り遅れていました。キャビネットカップにアンピール様式が多いのは、こうした理由によるものです。

本作もアンピール様式のカップ&ソーサーです。ふんだんに使われたゴールド、カップの猫足、レリーフ排したシャープですっきりとした器型などはその特徴です。このレリーフが無いという事は、優れた絵付け師の出番という事でした。
本作の絵付けは、C&Sの絵付けとしては、これ以上ない品質のものと考えます。村祭りの木陰で、食事をとる母娘がモチーフです。洋服や髪の毛の繊細さ、そして人物の顔の表現は素晴らしいものです。背景には村人が踊る様子が描かれていますが、細部まで手抜きはありません。村人の中に犬が描かれているのが、写真でお分かりになりますでしょうか?そして、特筆すべきは絵付けの光沢です。本当に絵の具で描かれているのかと疑いたくなるほど、つややかに仕上がっています。絵付けの経験のある方なら、これがどんなに難しい事であるかは、嫌と言うほど理解できるでしょう。
このモチーフはヘレンドなどでも写されていますが、絵の品質は比べようもありません。オランダ絵画の影響を強く受けていると言います。

金彩も素晴らしいもので、黄金色に光っています。純度の高い金絵の具を使っているのでしょう。しかし、この金彩は剥げやすく、猫足と相まって、ソーサーの金彩は大きくはげています。コンディションですが、ダメージや修復はありません。ただ、金彩のハゲがあるので、良いコンディションとは言えないでしょう。

マークは釉下の錫杖で、1837年から1844年まで使われたマークです。こうしたキャビネットカップにはソーサーの無いものも多いので、本作がC&Sのきちんとしてセットである事は、大きな優位点であると言えます。











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