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品番 No. KO-1
作品名 

KPMベルリン ジャグ 「自然主義様式の花絵」
アプライドフラワー(貼花装飾) 
制作年
1900年頃
価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠に有難うございました。
コンディション
花の多少のカケあり
その他はとてもよいコンディション
サイズ
高さ 約24cm

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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108










[解説]
KPMベルリンのアプライドフラワー(貼花装飾)のジャグをご紹介します。
ジャグといっても、ご覧のように実用のものではなく、装飾品として作られたものです。
アプライドフラワーの装飾は、19世紀の歴史主義様式時代には良く見られる装飾です。
所謂ネオロココ様式の装飾ですが、こうした趣味は19世紀の後半、ユーゲントシュティール様式以前にはとても流行していました。

本作は1900年頃の作品と推定していますが、このネオロココ様式に新時代の絵付けである「自然主義様式」の花絵を描いたものです。花絵はそれまでの様式と違い、陰影や光を意識した絵付けで、とても豪華です。この絵付けは表裏両面にあり、どちらも非常に質の高いものです。花のモチーフは「ムギワラギク」と「サツキ」でしょうか。この種の花絵をKPMベルリンにもたらしたのは絵付師パウル・ミーテといわれ、同じく絵付師アウリッヒと共にKPMに優品を残しています。本作には絵付師のサインが無いので、彼らの作品とはいえませんが、職人の中でも相当にレベルの高い技術をもった人だったでしょう。

さらに、目を見張るのは造形です。一弁一弁を手捻りで作ってゆく貼花装飾は、その繊細さや大胆な配置に感心してしまいます。決して貼り付けただけのようなものではなく、ジャグの器形と一体化し、ひとつの作品としてよく調和しています。ロココ風のジャグの注ぎ口のフリルのような造形も、本体を支える4本の足も、多くの見所をもった作品といえます。勿論、現在ではこれだけの作品をつくるのは不可能に近いでしょう。

花弁に多少のカケはありますが、その他にダメージや修復などはなく、この種の造形としては良いコンディションと考えています。