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品番 No. JV-1

作品名 

KPMベルリン ベース
「ユーゲントシュティール文様」 エナメル彩
制作年
1905年頃
価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠にありがとうございました。
コンディション
修復・ダメージなし
とてもよいコンディション
サイズ
高さ 10.5cm


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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108



解説

KPMベルリンが19世紀末から20世紀初頭の、所謂ユーゲントシュティール期につくられた一連の作品は、現在非常に高く評価されています。欧米ではガレ・ドームのガラス器よりも高い評価が与えられているのではないでしょうか?もちろんガレ・ドームの方が圧倒的に大きな市場なので、一般的には知られていないかもしれません。しかし、これはKPMの作品数が絶対的に少ないという数の問題でしょう。その芸術的あるいは工芸的価値については、凡百のガレ・ドームをはるかに凌駕していると考えます。

KPMベルリンはユーゲント期には、独特の優品を作っていました。エナメルのビジュー、フローグレーズ(流しがけ釉)、オクセンブルート(牛血紅)、アンダーグレーズ(釉下彩)、クリスタルグレーズ(結晶釉)、パテ・シュール・パテなど、ありとあらゆる技法を使って、新しい作品を作ろうとエネルギーに満ちた時代だったのです。

本作はこの良い例の一つです。まず、黒に近い褐色の釉薬を施し地模様を作ります。これは火の力で偶然にできる窯変による装飾であり、窯からあげて見るまでは出来栄えが分かりません。KPMではこの窯変をも科学的に制御しようと、膨大な実験を繰り返していました。これを成功に導いたのが、有名な「ゼーゲル錐」ですね。写真では単に黒くしか見えないと思いますが、よく観察すると微妙な自然の陰影があり、これが美しい文様になっています。
さらに、レイズゴールド(盛金)の技法で、ユーゲント独特の植物文様を描き、色とりどりのエナメル彩を乗せてゆきます。レイズゴールドは24金の絵の具を膠で盛り上げてゆく技法で、大変な手数を要するものです。また本作のガラス質のエナメル彩も見事です。これだけ大きなビジューを定着させるのは難しく、窯出し後に剥落してしまう事も多いのです。KPMベルリンはこの問題を見事にクリアしており、この時代のKPMの技術の高さには、脱帽するしかありません。

コンディションは、ダメージ修復のないよい状態です。エナメル彩に剥落もありません。